重陽の節句と衣替え
10月も半ばですが、「暑いですね〜」という挨拶がまだまだ続いています。
平年よりも気温が高く、ちょうど1ヶ月前くらいの気温で、旧暦通りだなぁと感じています。
旧暦とは月の動きを基準とした暦です。
今は旧暦でいうと9月。
今年は旧暦の方があっていますよね。
先週、我が家は重陽の節句のお祝をしました。
重陽の節句は馴染みのない行事かもしれませんが、桃の節句や端午の節句などともに古代中国から伝わった五節句の一つです。
古来、奇数の事を陽数といい、縁起が良いとされていたそうです。
なかでも最も大きな陽数「9」が重なる9月9日は陽が重なる重陽(ちょうよう)の節句とし、盛大に祝ったとの事。
縁起が良い一方、災いが起こりやすく不吉だとも考えられており、邪気を払う風習もあったとも言われています。
菊酒
旧暦の9月は菊の花が見頃を迎える時期であり、菊は薬草としても用いられるため重陽の節句は「菊の節句」とも言われます。
なので、我が家は菊の花を浮かべた菊酒と菊のお茶を旧暦9月9日にあたる10月11日にいただき、無病息災と不老長寿を願いました。
明治初期に旧暦から今の新暦へ改暦の公布を行い、五節句廃止令が布告されたそうです。
新暦は太陽の動きを基準にしているため、旧暦の行事は季節にずれが生じるものが出てきます。
新暦の9月は菊の時期でもなく季節感を失ったことで重陽の節句は廃れてしまったのではないかという見方もあるようです。
私は「月の暦・太陽の暦」という手帳を活用しています。
月の周期は体調の周期にも影響があるという事に興味があって使い出したのですが、
その中に五節句は月の暦(旧暦)で祝ってこそ意味があると書かれていてハッとしたんです。
もっと旧暦を大切にした方が良いかもって。
それで、去年まで今の暦の9月9日に祝っていた重陽の節句を今年は旧暦の9月9日に変えたという訳です。
さて、重陽の節句は秋の衣替えの日でもあったそうです。
季節の変わり目には穢れや厄がたまると信じられていて、衣替えによって悪いものを祓う意味あったようです。
衣服をあらためて節句を祝っていたんですね。
今は服装に関しても自由で慣習も変化してきているため、一斉に衣替えという事もなくなりました。
単なる洋服を入れ替える作業になっている人が多いと思いますが、古来の意味を感じながら丁寧に衣替えしてみるのも悪くありません。
邪気払い出来て、良い日々が送れるかも❣️😄
このお話があなたの「くらしの一滴」になりますように。
2024年10月15日